子どもが少年野球を始めると、当然ながら試合を行いますよね。
実は、少年野球では、塁審をお父さん達がやります。
毎年、春頃に各地で審判講習会が開催されています。が、子どもが春以降にチームに参加して、講習会に参加できない場合も多々あります。
というわけで、今回は塁審の基本的なことをお伝えいたします。
審判の人数
塁審を初めてやる人は、野球の審判は4人でやるものと思っている方も多いでしょう。
高校野球やプロ野球のような普段目にする機会のある野球の試合が4人制だからです。
大原則がねまずあります
実際には、1人制、2人制、3人制、4人制、6人制とあります。
ですが、少年野球も基本的には4人制で行いますので、4人制を前提に解説します。
立ち位置
昔はラインを跨ぐように立っていました。
しかし、今はラインの外で半身で構えます。
ハンズ・オン・ニー(ひざの上に手を置いてちょっと前屈みな状態)でも良いのですが、今はスタンディング(肩幅に足を開いて直立)で見る人が多いです。
スタンディングで見た方が視野が広いんですね。
どうしてもハンズ・オン・ニーだと目線が下がってしまうため、見渡せる視界が狭まってしまいます。
そして、ラインの外に構えることによって、万が一、ライン際をボールが来た場合でもフェアの打球には当たりません。
ライン際、ベースを過ぎるかどうかは覗き込めば十分に見えます。
打球の責任範囲
簡単に説明します。実際にはプレーに合わせて審判の人たちも動き回るので、状況に合った対応が必要となります。
四人制の場合、一塁審はライトのポジションから一塁線までの範囲、二塁審はライトからレフトのポジションまでの範囲、三塁審はレフトのポジションから三塁線までの範囲、そして球審はダイヤモンドの中を担当します。
これが打球の責任を持つ範囲です。
打球判定
打球判定の大原則、絶対に止まってみるということです
そして打球が飛んだら、すぐに動くんじゃないんです。
まず審判同士でアイコンタクト取り合います。
そのために、”pause”、”read”、”react” この三つの約束があります。
pause
まずは”pause”。
「止まる」ってことですね。
まず打球が飛んだら、打球方向を確認するため止まります。
read
それから”read”。
打球がどこに飛ぶか、野手・打者・走者がどういうプレイをするのか等、プレイを読むということです。
react
そして “react”。
そこから動く。反応するということです。
打球判定の大原則
必ず止まってください。
送球判定でも同じなのですが、走っているような頭が動いてる状態で見ても、絶対に目から入った情報が脳に正しく伝わりません。
絶対に止まって見てください。
それがGo & Stop の基本練習にも繋がります。
プロの試合でもたまにと「えっ!」思うような判定があったりしますが、そういった場面では大概動いて見ているんです。
必ず止まってみれば、そう大きな間違いは犯しません。
遠くをみる
打球判定を行う場合には、スタンディングで立ち止まり遠くまで視野を広げてプレイを見ます。
そして、「キャッチ」「ノーキャッチ」を判定しましょう。
選手はみんな審判の判定で動きます。
大きなアクションでハッキリと伝えましょう。
送球判定
1番多いのは、1塁のアウト・セーフのフォースプレーです。
フォースプレーの原則は、近づきすぎないこと、遠すぎないことです。
1つの目安として、ベースから5~7メートルの距離で見ます。
そして、送球に対しては90度の角度で見てください。
例えば、サードに打球が転がりました(サードゴロ)。
3塁から1塁への送球を、送球に対して90度の角度で見ようとした場合、フェアグラウンドの内側に移動することになります。
ポジションを移動して5~7メートルの位置で、ここでハンズ・オン・ニーで見ます。
ショートゴロであれば、もう少し浅くなりますね。
セカンドゴロであれば、もっと浅くなります。
そして、一二塁間、1塁後方でセカンドまたはライトが取った場合には、フェアグラウンドに構えると背中越しに送球が来てしまいます。
こういった場面では、ファールグラウンドに出てポジションを探しましょう。
プレイを見るコツ
初めて塁審をやる人は、どうしても送球、ボールばかり見てしまうんですよ。
ボールばかりを見てしまうと送球の印象が、ものすごく強くなってしまいます。
だから『アウト!』って言いがちなんですね。
判定のコツは、遠くから全体を一枚の写真で撮るように見ることです。
そして送球がなされた。大体投げた瞬間に悪送球なるようなボールは分かります。
いつもと角度が違いますから。
普通に送球がなされた。そうしたら早めにね送球から目を切ります。
ベースの方に視界を合わせて、余裕を持って待ち構えましょう。
待ち構えて打者走者の足を見てください。
この足がベースにつく瞬間ボールはどうだったのか。
足が着くよりも先にミットに入っていれば『アウト』です。
もちろんで打者走者の足がついてから入ればもちろん『セーフ』です。
同時は『セーフ』です。ただ同時はないものだと思って良いです。
大間違いしないためにはさっきも言ったように送球を見過ぎないことが重要です。送球ばかり見ていたら、みんなアウトに見えてしまいますから全体像で捉えるようにしてください。
イレギュラーなプレイの場合
プレイが崩れた時、例えば送球が悪送球になって、ファーストが一塁から離れてキャッチして、打者走者にタッグに行く。
あるいはファーストに対してショートバウンドが来て落としてしまって取りに行く。
あるいは投手がカバーに入ってきてトスと走者のかけっこになる。
いろんなケースがありますが、そういった時も慌てずにまずは大原則“止まってみる”ですね。
そして早めに崩れたプレイが想定できるのであれば、ベストポジションを探しに行ってください。
例えば、投手と打者が競争になった。この足の競争になったんだったら、ベースの横から見るのが良いでしょう。
あるいは、タッグになった。
タッグになったんだったら、ベースの横から見るよりは、むしろ ライン上の方が見やすいかもしれません。
ベストポジションというのは、そのプレーの質によって変わってきます。
それを読むのは審判の見る力にもなります。
目で見た情報が全てではない
審判が判定する上で大切な要素は目で見た情報だけではありません。
選手の様子や音もその一つです。
タッグプレイでタッチされた場合、走者は少なからずリアクションを取るはずです。
また、打者走者の足を見ていて送球が視界にきちんと入っていない場合でも、グローブに納まったときの音が、足より早いかどうかで判断することが出来るはずです。
審判のカバーリング
センターに打球があがって、2塁審が打球を追いかけた。
走者が2塁まで進塁しそうだと判断した場合、2塁に審判がいませんのでカバーリングが必要になります。
一塁の審判あるいは三塁の審判でカバーリングするのですが、大原則として常に走者よりも先に行ってください。
走者を追いかけていってはダメなんです。
一塁の審判が2塁に行く方法は二つあります。
一つはセカンド審判が打球を追いました。そして、もう一塁でのプレーはありません。
そう判断したら打者走者の触塁を見ないといけないので一塁審はフェアグラウンドに入りながら、走者の走塁の邪魔にならないようにダイアモンドの内側に移動します。
走りながら中にすぐ入ってて、ここで打者走者の触塁を確認します。
(このとき審判は、仮にベースを踏んでいなくてもリアクションしてはいけません。相手チームなどからアピールがあった場合にのみアクションを起こします。詳しくは、今後を記事を作成したいと思います。)
そして一塁ベースを踏んだことを確認したら、打者走者よりも先に2塁に向かいます。
そして打者走者より先に二塁で待ち構えて送球判定 or 触塁を判定します。
常に走者よりも先に行く
戻るケースもあると思います。
打者走者が戻ったら一緒に戻る。そして細かいフォーメーションはともかく、大事なのは目配り気配りです。
他の審判の動き・アイコンタクト。これが非常に大切なんです。
審判員はいろんな英語を使いますが、お父さん達は、無理に英語を使う必要はありません。
『OK!』 とか『まかせろ!』など言って、身振り・手振り・アイコンタクトで打球を追いかけることを伝えてください。
そしてお互いの動きを見て、もしベースが空いていたらとにかくカバーに行きましょう。
これが審判団のチームプレー・チームワークなんです。
良いゲームを作るためには、チームワークが必要ですから、審判団というのは“第3のチーム”と呼ばれたりします。
審判をやるお父さんは、皆が経験豊富とは限りません。野球未経験で初めてやる人もいるでしょう(私がそうでした)。
お父さん同士ですから技術は未熟だと思って良いでしょう。
でも、お互いを信頼してアイコンタクトを取り合って、子供たちの試合を最高の試合にしてあげましょう。
最後に
自分の意思・動きを明確にすることが大切です。
中途半端に行くのか行かないのか。
中途半端に戻ったり、そういう動きを誰かがしていると皆でバラバラになってしまいます。
常に明確に行くなら行く、行かないなら行かない、戻る・戻らない。
判定も同じで、アウトなのかセーフなのか迷っているような中途半端な判定をしていると子ども達も混乱してしまいます。
動きをハッキリさせると、きちんとした審判団として機能すると思います。
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